「ポチ〜うどん〜覚悟はいい?」
-狐、飼いました-
ぽかぽかといいてんきのきょう、マルスさんがひもをもっておれたちにちかづいてきた。
ひもだけじゃなくて、わっかみたいなものもみえる。
『ふざけんじゃねぇ!んなもんつけれるか!!』
うるふは『グルル・・・』とひくくうなった。
「あ、ポチ。久しぶりだから嬉しいのかな?」
『違ぇよ!!』
「嬉しいからって、そんなに尻尾立てないでよ」
『はァ!??』
にこにことマルスさんはわっかをうるふのくびもとへともってゆく。
うるふはにげだそうとしてあばれるが、マルスさんにがっちりからだをこていされた。
「ポチ、久しぶりだからってはしゃぎすぎだよ?」
『だから違ぇ!!』
カチャン。
うるふのていこうはいみをなさず、ひもがついたわっかをくびにつけられた。
わっかはあかいろで、うるふのめのいろとおなじだ。
「さ〜て、お待たせうどん」
マルスさんがうるふにつけられたのとちがうわっかをもっておれのほうへやってきた。
うるふがいやがっていたから、これはいやなことなのかな?
おれはさきにわっかをつけられたうるふをみた。
『畜生…。狼の俺様がこんな家畜のようなものを…』
かちくってなんだろう。
うるふのまわりにはどんよりとしたくらいオーラがみえた。
そうこうしているうちにおれのくびにもわっかがつけられた。
「どうかな、うどん。君の目の色を合わせてみたんだけど」
おれのめからはくびにつけられたわっかはみえなかった。
たしか、つけられるまえにみたわっかのいろは「みどり」だったような。
「うん、似合ってる。さすが僕だね」
マルスさんはまんぞくげにほほえんだ。
おれもなんだかうれしくなった。
『ありがとう』
おれはおれいをいって、マルスさんのほおをなめた。
マルスさんは「くすぐったいよ」といい、おれのあたまをやさしくなでた。
「さて、行こうか!」
『いーーーやーーーだーーーー!』
マルスさんがひもをもってあるきだした。
しぜんとおれたちはひっぱられるかっこうになる。
うるふはつめをたてて、そのばからうごこうとしなかった。
「ポチ!床に傷がつくからダメ!めっ!!」
『んなこと俺様には関係ねぇ!これ以上の屈辱など…!!』
マルスさんのちからのほうがつよいのか、がりがりとおとをたててうるふはひきずられる。
『ぐぬぬぬぬぬぬぬぬぬ…!絶対に行かん…っ!この俺様がぁぁぁあ!!!』
「楽しみだったでしょー!」
『楽しみじゃねぇぇぇぇえ!!』
うるふはまだがんばっている。
「もー!ポチ!!たまに外に出ないとダメだよ!ニートはダメ!」
『こんな姿を晒すほうがダメだぁああ!』
「ポチ!運動しないと、ぶくぶく太って、醜い姿になっちゃうよ!それで、病気になったり…」
『な…ん…だと?』
うるふがふとったすがたをそうぞうしてみた。
……もうおおかみとはよべないかも。
『くっそがぁぁああぁぁあぁああぁぁ!!!』
うるふもおなじようなそうぞうをしていたのか、ちからをゆるめた。
『この俺様が太る…ピグマみたいにか!?ざけんじゃねぇ!さらに家畜への道を極めようとしているじゃねぇか!!』
ぴぐまってひとかわいそう。
『おい!さっさと行くぞ!!』
うるふはげんかんへとはしっていった。
おれとマルスさんはうるふにひきずられた。
今日は散歩日和
(あは、ポチってばやっぱり楽しみだったんだね!このツンデレwww)
(誰が楽しみだ!誰がつんでれだぁーーーー!!)
(うわーー!うるふ、はやいはやいぃぃいぃいい!!)
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